shirai aisa

ひとりぼっちのダンス

2018年01月12日

私はもう、自分がダンサーなのかどうかよくわからない

最近特にそう感じる。

私が今まで出会ってきたダンスは、
「心と体をひらくべし」
「身体でコミュニケーションをとるべし」
そんな正義というか、価値観を持ったものが多かった。

子ども向けのコンテンポラリーダンスワークショップも、
基本的には、恐れずに他人と身体を使ってコミュニケートし、
思いきって身体で自分を表現する、それを少しでもできるようになる、
そういう目標のもとで行われることが多いだろう。

私も「それ」をできるようになろうと頑張ったこともあったが、
できなかった。
好きにもなれなかった。

私にとってのダンスは、

ひとりぼっちで、
誰とも向き合わずに、隅っこのほうで、
他人を恐れて震えながら立ち、動けたら動く、動けないことも多々ある、
そんなようなものでしかなかった。どうがんばっても、そうだった。

祝えない

「ここで少し踊ってみて」

そんな要求に、私は応えられない。
時間をかけてたくさん準備しないと、踊れない。

そんな私は、ダンサーじゃないのかもしれない、と、最近よく思う。

お祝いの席で華やかな舞を披露することもできないし、
場を沸かせるようなこともできない。

やってみたとしても、それは「ダンサーの真似」であって、
ダンスではない。少なくとも私にとっては。

ここでちょっと哲学的なことを言うと
私にとってのダンスや踊りは、
「わたし」が「あなた」に働きかけるようなものではない。
そんなことは、できない。

「わたし」が「わたし」に働きかける、または
「なにか」「だれか」が「わたし」に働きかける、
そうしてようやく踊ることができる(かもしれない)という感じがする。

30歳で、ダンスとは何ぞやを語るにはまだまだ若すぎる私だけれど

今はそう思っている、ということをここに書いておく。

フレンドリーなダンス観に辟易してたり
ひとりぼっちのダンスをやりたい仲間は、
この世の中にたくさんいるんじゃないか、という気がしている。